問 題
経口投与された薬物のバイオアベイラビリティを表す式はどれか。1つ選べ。ただし、消化管管腔内からの吸収率をFa、消化管及び肝臓での消失を免れた割合をそれぞれFg及びFhとする。
- Fa・Fg/Fh
- Fa・Fg・Fh
- Fa・Fg・(1-Fh)
- Fa・(Fg+Fh)
- Fa+Fg+Fh
正解.2
解 説
静脈投与であれば、いきなり血中なので、バイオアベイラビリティ=1です。経口投与だと「消化管吸収」と「肝初回通過効果」を介した後に血中に入ります。具体的な数字を仮定して考えると、イメージがわきやすいかと思います。
【消化管吸収について】
経口投与した量が 100 とします。消化管吸収率 Fa が 0.8 と適当に仮定します。消化管における消失を免れた割合(代謝を受けるなどして消えてしまわなかった割合)Fg を 0.9 と適当に仮定します。(注:「率」なので、0 ~ 1 の間で適当に仮定します。百分率で表して 80% のように仮定してもよいです。)すると、消化管から無事吸収される量は 100 × 0.9 × 0.8 = 72 です。
【肝初回通過効果について】
さらに肝臓で消失を免れた割合(肝初回通過効果を避けた割合) Fh を、適当に 0.6 と仮定します。すると、肝初回通過効果を避けて、無事血中に入る量は 72 × 0.6 = 43.2 です。
【改めて、バイオアベイラビリティについて】
初め 100 が 43.2 になっているので、バイオアベイラビリティは 0.432 です。Fa、Fg、Fh を掛けていくことで、この 0.432 を出してきました。従って、正解は Fa・Fg・Fh です。
以上より、正解は 2 です。
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