薬剤師国家試験 第103回 問332 過去問解説

　問 題　　　　　

注射液A(pH3.4，2mL/アンプル)、注射液B(pH8.6，2mL/アンプル)及び注射液C(pH9.1，10mL/アンプル)をシリンジ内で混合する。

薬剤師は各注射液のpH変動スケール(上図)に基づいて薬剤の調製を検討した。

混合の可否及び順序として最も適切なのはどれか。1つ選べ。

1. どの順序でも白濁するので混合できない。
2. AとBを混合した後、Cを混合する。
3. AとCを混合した後、Bを混合する。
4. BとCを混合した後、Aを混合する。
5. どの順序でも混合できる。

 

 

 

 

 

　解 説　　　　　

pH スケールから、B の pH が4.6 以下で白濁することが読み取れます。

A～Cの中で、pH が低いのは A です。従って、初めに A と B を混ぜると pH が 3.4 ~ 8.6 の間になるはずなのでこの順番を避けます。

BとCが比較的 pH が近いので、先に混ぜるとよいと考えられます。これにより全量も多くなるので（2+10 = 12mL）、A 2mL を入れても、pH 変動を抑えることができます。

ちなみに、AとCを先に混ぜて後でBという混合も考えられます。ただ、Aがアルカリ側に変動しやすいことが、pH スケールから読み取れます。注射剤の pH は溶液が安定する値に調節されており、できるだけ変動しないようにするためBとCを先に混ぜる方がより適切と考えられます。

以上より、正解は 4 です。