問 題
85歳女性。独居。かかりつけ医を受診し、処方箋を持って薬局を訪れた。薬剤を受け取って帰宅後にこの女性から薬局に電話があり、「薬を飲んだあと首のまわりが赤くなってきた」とのことだった。
問324
薬剤師が行う対応として、優先度が高いのはどれか。2つ選べ。
- 市販の湿疹用軟膏の手持ちがあれば使用するよう助言する。
- 息苦しさや唇の腫れなどいつもと違う感じがないか確認する。
- 不安に対し時間をかけてカウンセリングを行う。
- 明日まで様子を見るよう助言をする。
- 副作用以外の可能性を探るための質問をする。
問325
この患者が、この電話対応から2週間後に来局したとき、相談する相手もなく心細い様子だった。この患者への対応として、適切でないのはどれか。2つ選べ。
- 患者の気持ちを共感的に受け止める。
- 患者の話を要約して伝えることにより、互いの理解を確認する。
- 患者に同情して、薬剤師自身の体験を一方的に話す。
- 患者が聞きやすい声の高さや大きさに配慮する。
- 患者が自由に話しやすいように、閉じた質問をする。
正解.
問324:2, 5
問325:3, 5
解 説
問324
アナフィラキシーや重症薬疹の初期症状ではないかをまず確認します。この場合、迅速な初期対応が求められます。時間をかけての対応や、ひとまず手持ちの軟膏で様子を見るといった対応はこの可能性を除外してからとなります。よって、選択肢 1,3,4 は誤りです。
以上より、正解は 2,5 です。
問325
85歳、独り暮らしという背景もあり、自身に起こった変化から不安がつのる傍らで、そのような心境を話す相手がおらず、様子にもれ表れている と考えられます。このような時に、その不安を話すことで軽くすることで、安心して服薬を行うことができるようになります。この際、ある程度自由に話してもらうことで「自分の今の気持ちを伝えることができた」という満足感につながります。
これらをふまえ、各選択肢を検討すると、明らかに選択肢 3 は誤りです。今必要なのは、薬剤師自身の体験 ではありません。
また、選択肢 5 ですが
自由に話しやすいのは、イエス・ノーでは答えることができない「開いた質問」です。閉じた質問では、ありません。
以上より、正解は 3,5 です。
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