問 題
28歳女性。1ヶ月ぐらい前から動悸、手指の震えがあり、発汗が多くなったため近医を受診したところ、バセドウ病と診断され下記の薬剤が処方された。
問292
患者への説明として適切なのはどれか。2つ選べ。
- 催奇形性の報告があるので、薬剤服用中は妊娠を避けるよう説明する。
- 甲状腺ホルモンの分泌を抑える薬であると説明する。
- 規則的に数ヶ月間服用し、症状が改善したら減薬できると説明する。
- 海藻類を積極的に摂取するよう説明する。
- 定期的な血液検査の必要性を説明する。
問293
服薬を開始して2週間後に38.5℃の発熱と強い咽頭痛を認めたため受診した。血液検査では、赤血球数 390×104/μL、ヘモグロビン 12.2g/dL、白血球数 1,000/μL、好中球数 350/μL、血小板数 44×104/μL、CRP 6.7mg/dLであった。
本症例の今後の薬物治療として適切なのはどれか。1つ選べ。
- 処方薬6錠/日を継続しながら抗菌薬を追加投与する。
- 処方薬を3錠/日に減量して、抗菌薬を追加投与する。
- 処方薬を一旦中止して、発熱が消失した後に再開する。
- 処方薬をチアマゾール錠に変更する。
- 処方薬を中止する。
正解.
問292:2, 3, 5
問293:5
解 説
問292
プロピルチオウラシルは、ペルオキシダーゼ阻害薬です。甲状腺ホルモンの合成と分泌を抑制します。検査値を見ながら用量を変化させていきます。副作用が多く知られており定期的血液検査が必要となります。
以上より、正しい選択肢は 2,3,5 です。
問293
好中球数 350/μL とあり、500/μL 以下なので、無顆粒球症です。薬物治療を即座に中止します。以降の治療は薬物治療以外の方法であるアイソトープ治療や外科的治療へと移行します。
以上より、正解は 5 です。
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