問 題
薬物の消化管吸収とバイオアベイラビリティに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- カルバペネム系抗生物質であるメロペネムは、小腸粘膜での透過性が高いため、経口製剤として用いられる。
- 陰イオン交換樹脂であるコレスチラミンは、酸性物質であるプラバスタチンを吸着し、その吸収を阻害する。
- 経口製剤の絶対的バイオアベイラビリティは、その製剤を経口投与した際の血中濃度時間曲線下面積(AUC)を、等量の同一薬物を静脈内投与した際のAUCで除したものに等しい。
- 小腸において、親水性薬物のみかけの吸収速度は、非撹拌水層の拡散速度に依存する。
- 小腸下部から吸収された薬物は、門脈を経ずに下大静脈に入るために、肝初回通過効果を受けない。
正解.2, 3
解 説
選択肢 1 ですが
メロペネムは注射剤です。経口製剤ではありません。よって、選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2,3 は、正しい記述です。
「陰イオン交換樹脂」は「陰イオンを吸着」します。そして「酸性物質である」=「H を離しやすい」→ H+ + プラバスタチン– となって陰イオンとなりやすい。と考えます。
経口バイオアベイラビリティ=AUCpo/AUCivです。
選択肢 4 ですが
非拡散水層の拡散速度に依存するのは、脂溶性が高い薬物、つまり疎水性薬物です。親水性薬物ではありません。よって、選択肢 4 は誤りです。
選択肢 5 ですが
記述は「大腸」下部についてです。小腸下部から吸収された薬物は初回通過効果を受けます。よって、選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 2,3 です。
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