薬剤師国家試験 第103回 問156 過去問解説

 問 題     

本態性高血圧治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. アテノロールは、血管平滑筋細胞のCa2+チャネルを阻害することで血管平滑筋を弛緩させる。
  2. ドキサゾシンは、交感神経終末からのノルアドレナリン遊離を抑制することで血管平滑筋を弛緩させる。
  3. トリクロルメチアジドは、遠位尿細管のNa+-Cl共輸送系を阻害することでNa+の再吸収を抑制する。
  4. テルミサルタンは、アンギオテンシンⅡによる副腎皮質球状層からのアルドステロン分泌を抑制することで利尿作用を示す。
  5. アリスキレンは、集合管のアルドステロン受容体を遮断することで利尿作用を示す。

 

 

 

 

 

正解.3, 4

 解 説     

選択肢 1 ですが
アテノロールは、β1 遮断薬です。Ca チャネル阻害ではありません。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
ドキサゾシン(カルデナリン)は、α1 受容体の選択的遮断薬です。ノルアドレナリン遊離抑制ではありません。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3,4 は、正しい記述です。

選択肢 5 ですが
アリスキレンは、直接的レニン阻害薬です。レニンとは、アンギオテンシノーゲンをアンギオテンシン I に変換する酵素です。このレニンの産生を阻害することにより降圧効果を示します。アルドステロン受容体遮断ではありません。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 3,4 です。

参考 薬理学まとめ 代表的な高血圧治療薬

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