問 題
表は、福岡県の久山町研究において65歳以上の住民826名を15年間追跡し、65歳の時点での高血圧と耐糖能異常が、その後の脳血管性認知症とアルツハイマー病の発症に及ぼす影響について調べたものである。
この結果から導き出される結論として誤っているのはどれか。2つ選べ。
- 耐糖能異常は、単独でアルツハイマー病の危険因子となる。
- 耐糖能異常がない場合、高血圧はアルツハイマー病を抑制する因子となる。
- 高血圧及び耐糖能異常は、いずれも単独で脳血管性認知症の危険因子となる。
- 脳血管性認知症は高血圧の危険因子となる。
- 高血圧はアルツハイマー病に対する耐糖能異常の影響を解析する上で、交絡因子となる。
正解.2, 4, 5
解 説
選択肢 1 ですが
表の1行目と2行目を比較すれば、耐糖能異常の有無によりアルツハイマー病の相対危険度に有意差が見られます。よって、単独で危険因子となると考えられます。
選択肢 2 は誤っています。
1行目と3行目を比較すると、高血圧の有無により、相対危険度に有意差は見られません。
選択肢 3 ですが
表の1行目と2行目 及び 1行目と3行目を比較すれば、高血圧 及び 耐糖能異常 はそれぞれ単独で、脳血管性認知症の危険因子となると考えられます。
選択肢 4 は誤りです。
この表から判断することはできません。
選択肢 5 ですが
交絡因子とは、因果関係「AならばB」という関係を考えた時にAにもBにも影響を与えるような別の因子Cのことです。つまり、「耐糖能異常があればアルツハイマー病に発症しやすい」という関係において、高血圧ならば耐糖能異常、かつ、高血圧ならばアルツハイマー病に発症しやすい という場合、「高血圧」が交絡因子です。高血圧であれば耐糖能異常とはいえません。よって、選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 2,4,5 です。
類題 98-126
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