問 題
図は、腎臓のネフロンの概略を示している。健常人の腎臓における体液調節に関与する部位ア~オについての記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- アは、主に腎臓の髄質部に局在している。
- イでは、炭酸脱水酵素が関与してHCO3–が原尿中に分泌される。
- ウでは、管腔内の水が受動的に再吸収される。
- エでは、Na+とCl–が管腔内から間質液中へ輸送される。
- オに分布するNa+/K+交換系は、アルドステロンにより抑制される。
正解.3, 4
解 説
選択肢 1 ですが
アは、腎小体です。主に腎臓の皮質部に局在します。髄質部では、ありません。よって、選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 ですが
イは、近位尿細管です。近位尿細管では、炭酸脱水酵素が関与して原尿中に H+ が原尿中に分泌されます。HCO3– では、ありません。よって、選択肢 2 は誤りです。※アセタゾラミドのような炭酸脱水酵素「阻害」薬により尿がアルカリに傾く ということから炭酸脱水酵素の関与により原尿中に分泌されているのは H+ と推測すればよいと考えられます。
選択肢 3,4 は、正しい記述です。
それぞれウはヘンレのループ、エは遠位尿細管についての記述です。
選択肢 5 ですが
アルドステロンの作用は、Na+/K+ 交換系による Na+ 再吸収の「促進」です。抑制ではありません。よって、選択肢 5 は誤りです。(ちなみに Na+ 再吸収をたくさんすれば尿は減ります。「抗」アルドステロン薬が利尿薬として用いられる点から推測できる内容と考えられます。)
以上より、正解は 2,3 です。
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