薬剤師国家試験 第103回 問44 過去問解説

 問 題     

生体内で主にUDP-グルクロン酸転移酵素で代謝されるのはどれか。1つ選べ。

  1. アセタゾラミド
  2. アミカシン
  3. イソニアジド
  4. サラゾスルファピリジン
  5. モルヒネ

 

 

 

 

 

正解.5

 解 説     

モルヒネは麻薬性鎮痛薬です。肝臓においてグルクロン酸抱合で代謝されることがよく知られています。従って、正解は 5 です。

以下、モルヒネについて関連事項をまとめます。モルヒネは強い μ 受容体刺激作用があります。又、他にκ(カッパ)やδ(デルタ)受容体も刺激します。μ受容体の刺激により下行性痛覚抑制系を賦活化(ふかつか)することで鎮痛作用を示します。

又、モルヒネには催吐作用や、縮瞳作用もあります。催吐作用は延髄嘔吐中枢の化学受容器(CTZ:chemoreceptor trigger zone)において、D2 受容体を刺激することにより作用がおきます。縮瞳作用は中脳の動眼神経核の κ 受容体の刺激により作用がおきます。

又、やはりよく知られたモルヒネの性質として便秘の副作用があります。これは、μ受容体の刺激によりアセチルコリン遊離が抑制されることが原因です。

またモルヒネの解毒薬ナロキソンです。

参考 薬理学まとめ 代表的な鎮痛薬

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