問 題
87歳女性。寝たきり。この患者に対して発行された処方箋と残薬を、家族が薬局に持参した。
問318
薬剤師の対応として適切でないのはどれか。2つ選べ。
- 残薬のうち品質が保たれている製品で、現在も服用している薬剤については、利用を検討した。
- 残薬の一部を返品扱いとし、使用するため薬局の在庫品にした。
- シルニジピン錠20mgが多く残っているが、家族からの説明によると症状が安定しているようなので、医師に処方の妥当性を相談した。
- 残っている薬は、なるべく家族など他人に譲渡するなど有効活用するようにアドバイスした。
- 服用状況、体調、服用しにくい薬の有無を確認した。
問319
その後、この患者の服薬アドヒアランスを向上させるため、処方医の指示により薬剤師が患者宅を訪問した。患者の居宅で行うことができない業務はどれか。2つ選べ。
- 処方箋を受け取ること
- 薬剤を粉砕すること
- 疑義照会をすること
- 薬剤を一包化すること
- 薬剤を交付すること
正解.
問318:2, 4
問319:2, 4
解 説
問318
処方せんの様式が H28 年に変更され「調剤時 残薬確認欄」ができたように、残薬確認は重要な業務の一つといえます。
選択肢 1,3,5 は、適切な記述であると考えられます。
選択肢 1 ですが
品質が保たれている製品は利用を検討すると共に、今後の処方に残薬を考慮することで薬を有効に活用することができます。
選択肢 3 ですが
降圧剤についての家族の観察をふまえた相談も適切です。
選択肢 5 ですが
なぜ残薬があるか、という現状についての確認を行うことで原因をつかみ、今後どうするか考えるために適切であると思われます。
選択肢 2 ですが
返品後の再利用はできません。よって、選択肢 2 は誤りです。
選択肢 4 ですが
他人への譲渡を勧めてはいけません。よって、選択肢 4 は誤りです。
以上より、正解は 2,4 です。
問319
患者宅では「調剤」を行うことはできません。従って、粉砕や一包化はできません。
よって、正解は 2,4 です。
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