問 題
20歳女性。統合失調症と診断され、3ヶ月間、薬物治療が継続されていた。副作用は特にみられなかったが症状が改善されないため、主治医はクロルプロマジン塩酸塩錠を1日300mgから450mgへ増量した。
問252
この患者において注意すべき副作用の早期発見のために、薬剤師が患者や家族にあらかじめ説明する症状として、適切でないのはどれか。1つ選べ。
- 強い眠気
- 起床時の立ちくらみ
- 手の震えや体のこわばり
- 歯ぐきの腫れ
- 視野の狭窄や物の見えにくさ
問253
この処方が引き起こす可能性がある副作用について、その発現機序はどれか。2つ選べ。
- アンギオテンシンⅡAT1受容体遮断により歯肉肥厚が起こる。
- アセチルコリンM3受容体遮断により眼圧亢進が起こる。
- ヒスタミンH1受容体遮断により眠気が起こる。
- アドレナリンα1受容体遮断により錐体外路障害が起こる。
- ドパミンD2受容体遮断により起立性低血圧が起こる。
正解.
問252:4
問253:2, 3
解 説
問252
クロルプロマジンは、受容体選択性の低い遮断薬です。色んな受容体を遮断します。
選択肢 の記述において
・強い眠気→抗コリン作用
・起床時立ちくらみ=起立性低血圧→α1 遮断
・手の震え、こわばり=パーキンソン様症状→D遮断 と考えられるためあらかじめ説明が必要です。
ちなみに、視野の狭窄や物の見えにくさ=色素沈着の初期症状 です。この説明も必要になります。
選択肢 4 ですが
歯ぐきの腫れ → 一部の抗てんかん薬、Ca 拮抗薬の副作用 として知られています。クロルプロマジンの副作用としては知られてはおらず、説明は不要です。
以上より、問252 の正解は 4 です。
問253
選択肢 1 は、Ca 拮抗の記述です。
選択肢 2,3 は、正しい記述です。
選択肢 4,5 は、受容体が逆です。
以上より、問253 の正解は 2,3 です。
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