薬剤師国家試験 第102回 問176 過去問解説

 問 題     

固形製剤の製造工程と製剤機械に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 流動層造粒装置は、混合、造粒、乾燥を1つの装置内で行うことができる。
  2. V型混合機は、容器固定型混合機に分類される。
  3. 糖衣は、フィルムコーティングに比べ、短時間でのコーティング処理が可能である。
  4. 直接打錠法では、原料粉末をそのまま打錠機で圧縮成形するため、滑沢剤の添加を必要としない。
  5. ハンマーミルは、粉砕時に熱が発生するため、熱に弱い医薬品の粉砕には適さない。

 

 

 

 

 

正解.1, 5

 解 説     

選択肢 1 は、正しい記述です。
流動層造粒とは、空気で吹き上げた原料粉体に結合剤溶液を噴霧して造粒する方法です。

選択肢 2 ですが
混合機は大別すると
1:回転軸水平タイプ 例)V型混合機
2:容器固定型 例)スクリュー型
3:複合型 例)円錐形スクリュー型 があります。V 型混合機は容器固定型ではありません。ブンブン動いていたのを実習などで見たことがあれば思い出せるのではないでしょうか。選択肢 2 は、誤りです。

選択肢 3 ですが
糖衣コーティングは、何層もコーティングした錠剤です。フィルムコーティングの上位版のようなものです。時間もコストも、よりかかります。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
滑沢剤とは、打錠の際に杵や臼部分に原料が付着しないように加える添加物です。粉末をそのまま打錠器で圧縮するのだから滑沢剤を入れないと原料が付着してしまい、打錠がスムーズに行われなかったり、原料のロスがおき、錠剤の性質が不均一になるなどの不具合が想定されます。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 は、正しい記述です。

以上より、正解は 1,5 です。
類題)98-177

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