問 題
喫煙者と非喫煙者における脳血管疾患の年齢階級別発生率を調べ、喫煙と脳血管疾患との関係を調べたところ、表に示す結果が得られた。この結果に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- この表は、症例‐対照研究の結果を示している。
- この表における相対危険度は、喫煙をやめることによって脳血管疾患発症数がどれくらい減少できるかを示している。
- 全ての年齢群のうち、55~59歳の群は、喫煙が脳血管疾患を発症させるリスクが最も高いと考えられる。
- 65~69歳の群の相対危険度の値が全ての年齢群の値より低いのは、加齢によって脳血管疾患の発症率が喫煙の有無にかかわらず高くなるためであると考えられる。
- 喫煙と脳血管疾患発症率との関係を解析する上で、年齢が交絡因子となっている。
正解.4, 5
解 説
選択肢 1 ですが
症例対照研究とは、ある疾病をもつ患者群ともたない患者群に対して、特定の要因への暴露状況を調査・比較することで要因と疾病の関連を評価する研究手法のことです。別名後ろ向き研究とも呼ばれます。症例対照研究では、オッズ比がわかります。相対危険度はわかりません。よって、選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 ですが
記述は、寄与危険度についてです。よって、選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 ですが
非喫煙者と比較した時、一番脳血管疾患の発生「率」が上昇しているのは相対危険度が最も高い 45~49 歳です。よって、55~59歳の群が、喫煙による脳血管疾患発症リスクが最も高いとはいえません。従って、選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4,5 は、正しい記述です。
ちなみに、交絡因子とは、因果関係「AならばB」を考えた時にAにもBにも影響を与えるような別の因子Cのことです。
本問で言えば、年齢が高いとタバコを吸うし、年齢が高いと脳血管疾患になりやすいといった影響を与えていると考えられます。
以上より、正解は 4,5 です。
コメント