薬剤師国家試験 第102回 問116 過去問解説

 問 題     

真核細胞におけるmRNAからタンパク質への翻訳過程に関する記述について、誤っているのはどれか。1つ選べ。

  1. 翻訳過程は、開始、伸長及び終結の3段階の反応により完結する。
  2. 遺伝子の転写反応が完結する前に、翻訳開始反応が起こる。
  3. 翻訳開始反応は、mRNAの5’末端側から3’末端側の方向に進行する。
  4. リボソームがもつペプチジルトランスフェラーゼ活性により、ペプチド鎖伸長反応が起こる。
  5. アミノアシルtRNAの生成には、ATPのエネルギーを利用してアミノ酸が活性化される必要がある。

 

 

 

 

 

正解.2

 解 説     

選択肢 1,3,4,5 は、正しい記述です。どれも正しいと判断できるべき内容です。

選択肢 2 ですが
「真核細胞における」がポイントです。真核細胞における DNA の転写 なので、RNA はスプライシングを受けたりキャップ構造 や ポリA 付加を受けます。そのため、核内で転写反応を完結させてできた成熟 mRNA が核外へと移行し翻訳されます。※もしもこれが細胞における という記述であれば原核生物もありえます。

原核生物の場合、原形質において転写されてできた mRNA から順次翻訳されることになります。つまり、原核生物において転写と翻訳は同時に行われるということです。

以上より、正解は 2 です。

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