問 題
下図は、ヒトの尿素回路(オルニチン回路)の概略を示している。以下の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ①と②の反応では、ATPが消費される。
- ②の反応は、この回路の律速段階である。
- 化合物Aは、一酸化窒素(NO)合成酵素の基質となる。
- NH3の窒素原子は、この回路により化合物Bに組み込まれる。
- この回路の一部の反応はペルオキシソーム内で行われるが、それ以外は細胞質で行われる。
正解.1, 4
解 説
オルニチン回路とは、有害なアンモニアを尿素にする回路のことです。この回路ではミトコンドリアで作られる ATP の10%強程度が消費されると言われます。解毒ですごくエネルギーを使っている というイメージを持っておくと理解しやすいと思います。
この回路ではまず、尿素をカルバモイルリン酸にしてオルニチンにくっつけることでシトルリンができます。シトルリンから色々あって最後が尿素+オルニチンです。全体として、オルニチンがぐるぐる回っている回路であり尿素がアンモニアになる回路です。
選択肢 1 は、正しい記述です。
①で 2 ATP、②で 1 ATP が使用されます。
選択肢 2 ですが
この回路の律速は、カルバモイル基の導入部分です。すなわち、① です。よって、選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 ですが
NO 合成の基質といえば、アルギニンです。化合物 A はオルニチンです。従って、選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 は、正しい記述です。
B が尿素です。
選択肢 5 ですが
この回路の反応は、ミトコンドリアと細胞質で行われます。よって、選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 1,4 です。
コメント