薬剤師国家試験 第101回 問310-311 過去問解説

 問 題     

20代女性。下肢のむくみによる不快感を訴え来局した。仕事で1日中立っていることが多く、特に夕方に下肢に重みを感じている。

問310

薬剤師はこの女性からの情報をもとに、要指導医薬品である「赤ぶどう葉乾燥エキス混合物」製剤を販売することになった。薬剤師の対応として、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 説明を要しない旨の申し出があったので、適正使用のための情報提供を省略した。
  2. 友人の分も購入したいと申し出があったので、症状を詳しく聞いたうえで販売した。
  3. 販売した薬剤師の氏名、薬局名、薬局の連絡先を伝えた。
  4. 販売後、品名、数量、販売日時等を書面に記録し保管した。

問311

要指導医薬品に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 容器等に「要指導医薬品」の文字が記載されている。
  2. 薬局医薬品である。
  3. 需要者が選択して購入する。
  4. 特定販売(いわゆるインターネット販売など)が可能である。
  5. 貯蔵する場所には、かぎをかけなければならない。

 

 

 

 

 

正解.
問310:3, 4
問311:1, 3

 解 説     

問310

選択肢 1 ですが
要指導医薬品なので適正使用のため、指導が必要です。説明を要しない という申し出があっても必要な情報提供は必要なので省略はできません。

本問の医薬品は、アンチスタックスです。妊娠の有無、血液をサラサラにする薬の服用の有無などを確認すると共に、かぜ薬、解熱鎮痛剤は服用中避けるように伝える必要があります。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
要指導医薬品は、本人でなければ購入できません。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3,4 は、正しい選択肢です。

以上より、正解は 3,4 です。

問311

選択肢 1 は、正しい選択肢です。

選択肢 2 ですが
薬局医薬品とは、医薬品医療機器等法第 4 条 の定義によれば 「要指導医薬品 及び 一般用医薬品以外の医薬品」 という定義です。つまり、要指導医薬品は薬局医薬品には、入りません。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 は、正しい選択肢です。

選択肢 4 ですが
要指導医薬品は、ネット販売が不可です。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
特に貯蔵について制限はありません。(「陳列」は、鍵のかかる設備に行われていると思います。しかし、それは貯蔵ではありません。)よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 1,3 です。

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