薬剤師国家試験 第101回 問184 過去問解説

 問 題     

播種性血管内凝固症候群(DIC)に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。

  1. 悪性腫瘍や産科的疾患などの基礎疾患を有する。
  2. 多発性微小血栓による循環障害を生じる。
  3. 凝固系と線溶系が同時に亢進する。
  4. 血小板数が増加する。
  5. 基礎疾患の治療に並行して、ヘパリンや合成プロテアーゼ阻害薬による治療を行う。

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

DIC とは「凝固活性亢進」→ 微小血栓が全身にできる → 多臓器不全 がおきる一方で 微小血栓が全身にできることで、血小板や凝固因子が欠乏→「全身において出血傾向」 をきたすという病態のことです。 何らかの基礎疾患を有した上で発症します。

DIC で致命的なのは、血栓による臓器不全です。治療は、ヘパリンなどを用いた抗凝固療法 です。プロテアーゼ阻害薬 も用いられます。プロテアーゼ阻害薬は抗トロンビン活性を示します。

トロンビンとは、フィブリノーゲンをフィブリンにする酵素です。トロンビンを前駆体から切り出すプロテアーゼを阻害することで抗トロンビン活性(つまり抗凝固作用)を示します。

以上より、正解は 4 です。
血小板数は増加ではなく、減少します。

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