薬剤師国家試験 第101回 問173 過去問解説

 問 題     

治療薬物モニタリング(TDM)に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 血清中ジゴキシン濃度を免疫学的測定法で測定する場合、腎障害患者や妊婦では内因性交差物質が測定値に影響を及ぼすことがある。
  2. アジスロマイシン投与時には、第8脳神経障害の副作用を回避するためにTDMが行われる。
  3. テオフィリンの投与量は、患者のクレアチニンクリアランスを指標に決定される。
  4. TDMは、血中薬物濃度と薬効・副作用との間に相関がない薬物において有用である。
  5. 薬物によっては血清分離剤に吸着するため、血清分離剤を含む採血管を使用した場合には、血清中濃度を低く見積もる場合がある。

 

 

 

 

 

正解.1, 5

 解 説     

選択肢 1 は、正しい選択肢です。
高い値が出ることがあります。

選択肢 2 ですが
アジスロマイシンは、マクロライド系です。第 8 脳神経障害の副作用が特徴なのはアミノグリコシド系抗菌薬です。アミノグリコシド系の例はストレプトマイシンやカナマイシンです。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
テオフィリンは、CYP 1A2 により代謝されます。つまり、肝代謝の薬です。クレアチニンクリアランスは、腎機能の指標です。よって、明らかに誤りです。ちなみに、小児への投与の時には体重を基に投与量を計算します。

選択肢 4 ですが
血中濃度と薬効・副作用に相関がなかったら、血中濃度を測っても、副作用の回避などに活かすことができず、有用ではありません。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 は、正しい選択肢です。
カルバマゼピンや、フェニトイン、リドカインなどが知られています。

以上より、正解は 1,5 です。

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