薬剤師国家試験 第101回 問165 過去問解説

 問 題     

抗悪性腫瘍薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. エトポシドは、DNA鎖に架橋を形成し、DNA合成を阻害する。
  2. ビンクリスチンは、チューブリンの重合を阻害して微小管分解を引き起こし、細胞分裂を抑制する。
  3. シタラビンは、細胞内で三リン酸ヌクレオチドに変換され、トポイソメラーゼを阻害してDNA合成を阻害する。
  4. ゲフィチニブは、上皮増殖因子受容体(EGFR)チロシンキナーゼを選択的に阻害する。
  5. イマチニブは、血管内皮細胞増殖因子受容体(VEGFR)チロシンキナーゼを選択的に阻害し、血管新生を阻害する。

 

 

 

 

 

正解.2, 4

 解 説     

選択肢 1 ですが
エトポシドは、トポイソメラーゼⅡ阻害薬です。架橋を形成するアルキル化薬や白金製剤では、ありません。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 は、正しい選択肢です。

選択肢 3 ですが
「トポイソメラーゼ」ではなく「DNA ポリメラーゼ」を阻害します。他は、正しい記述です。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 は、正しい選択肢です。

選択肢 5 ですが
イマチニブは、Bcr-Abl チロシンキナーゼを選択的に阻害する 疾患特異的な分子標的治療薬です。VEGFR チロシンキナーゼを選択的に阻害するわけでは、ありません。よって、選択肢 5 は誤りです。ちなみに VEGFR がターゲットといえばベバシズマブ(商品名アバスチン)です。

以上より、正解は 2,4 です。

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