問 題
脂質異常症治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- フェノフィブラートは、ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体α(PPARα)を阻害し、血中トリグリセリドを低下させる。
- アトルバスタチンは、3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリルCoA(HMG-CoA)還元酵素を阻害し、肝細胞の低密度リポタンパク質(LDL)受容体を増加させる。
- コレスチミドは、LDLコレステロールの酸化を抑制する。
- プロブコールは、LDL受容体に依存しない機構で血中LDLコレステロールを低下させ、家族性高コレステロール血症に奏効する。
- ニセリトロールは、胆汁酸再吸収を抑制し、肝臓でのコレステロールから胆汁酸への異化を促進する。
正解.2, 4
解 説
選択肢 1 ですが
フェノフィブラートは、フィブラート系薬です。PPAR α に結合して「活性化」させることで結果として、中性脂肪を低下させます。「阻害」では、ありません。よって、選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 は、正しい選択肢です。
選択肢 3 ですが
コレスチミドは、陰イオン交換樹脂です。腸内で胆汁酸と結合し、大便と共に排泄されることにより胆汁酸の腸肝循環を妨げます。胆汁酸はコレステロールを原料にして作られるため、陰イオン交換樹脂存在下において胆汁酸がどんどん排出されると、不足した胆汁酸を補充するためにコレステロールが使われます。これにより、血中からコレステロールを取り込もうと肝細胞において LDL 受容体発現が促進されて血中コレステロールが減少します。「酸化抑制」では、ありません。よって、選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 は、正しい選択肢です。
選択肢 5 ですが
ニセリトロールは、脂肪酸放出抑制薬です。記述は「再吸収の抑制」という部分は、陰イオン交換樹脂についてであり「コレステロールから胆汁酸への異化を促進する」という部分は、プロブコールなどの異化促進薬についての内容になっています。よって、選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 2,4 です。
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