問 題
下の図は、ある晴れた風がない冬の日の早朝、ある町の風景を示したものである。この町は平野にあり、左側には工場がある。この工場の煙突からは煙が出ており、ある高さから右の方にのびていた。このときの気象条件に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- このときの大気の安定度は、非常に低い状態だったと推測される。
- 放射冷却が発生した可能性が高い。
- 煙突付近の気温が地表付近の気温よりも高い可能性がある。
- 地表付近で汚染物質が発生しても、その濃度は速やかに低下する。
正解.2, 3
解 説
ふつうは、煙は拡散しつつどんどん上へ行きます。また、山登りをイメージするとよいのですが上空の方が、ふつうは寒いです。しかし、放射冷却現象などにより地面の方が、冷たく 相対的に、上部の方が暖かくなる逆転層ができることがあります。すると、排煙は 冷たい領域に閉じ込められます。また、煙がまっすぐ長く伸びていることから大気がほとんど動いていない、つまり安定であったということが見てとれます。以上をふまえ、各選択肢を検討します。
選択肢 1 ですが
横にまっすぐ長く伸びており大気は非常に安定していたと推測されます。よって、選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2,3 は、正しい選択肢です。
煙がある高さ以上に登らないことから、逆転層ができていることが示唆されます。代表的な原因は、放射冷却現象です。そして、煙突付近の方が、高い気温であると考えられます。
選択肢 4 ですが
煙が拡散しないことから汚染物質の濃度がなかなか低下しません。よって、選択肢 4 は誤りです。
以上より、正解は 2,3 です。
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