問 題
母子感染に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 妊娠初期にサイトメガロウイルスに初感染すると、母子感染を起こすことがある。
- ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の母子感染を防ぐため、ワクチンの接種が推奨されている。
- B型肝炎ウイルスは、母体にワクチンを接種することにより、胎児への感染を防ぐことができる。
- 風疹は高率で胎内感染を起こすため、その予防を目的に、妊娠前の抗体検査が推奨されている。
- トキソプラズマ感染による先天異常は、ワクチンにより防ぐことができる。
正解.1, 4
解 説
選択肢 1 は、正しい選択肢です。
サイトメガロウイルスはそこら中にいるウイルスです。感染しても、基本的にはほぼ問題ありません。ですが、妊娠初期に、初感染すると胎児に感染しやすく、この時期の感染は胎児に種々の症状として表れることがあります。
選択肢 2 ですが
HIV に対するワクチンは、まだ開発されていません。よって、選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 ですが
B 型肝炎ウイルスに対するワクチンを生まれてすぐに、乳児に対して3 回接種することで感染予防につながります。母体にではありません。よって、選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 ですが
母体が風疹ウイルスに罹ると高確率で胎児も感染します。(時期により、率は異なります。)その結果、先天性風しん症候群 になる可能性が出てきます。(白内障、先天性心疾患、難聴など)予防のために妊娠初期に、抗体価検査を行います。
妊娠中は予防接種が受けられないため、妊娠希望または予定の女性は妊娠「前」の抗体検査が推奨されています。免疫不十分な場合、予防接種を行うことが推奨されます。既に妊婦で予防接種を受けられないケースでは、人混みを避けたり周囲の人や家族のワクチン接種などにより周囲からの感染を予防する、といった対策を心がけます。また、分娩後に、早期ワクチン接種が望まれます。
選択肢 5 ですが
トキソプラズマにワクチンはまだありません。よって、選択肢 5 は誤りです。ちなみに感染予防のための注意点は、非加熱食品に注意。ネコを介した感染に注意です。
以上より、正解は 1,4 です。
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