問 題
65歳女性。体重50kg。絶飲絶食であり、維持期に用いる1日当たりの高カロリー輸液の組成を考えることになった。この患者の1日当たりに必要な総エネルギー量は、予測式から基礎代謝量を求め、活動因子および障害因子を考慮して算出したところ、1400kcalであった。
高カロリー輸液組成において、非タンパクカロリー/窒素比(NPC/N)が、150になるようにしたい。10%アミノ酸輸液の投与量として最も近いものはどれか。1つ選べ。
ただし、タンパク質には窒素が16%含まれるものとする。また、20%脂肪乳剤250mL(500kcal)1本を末梢静脈より投与する予定である。
- 50mL
- 100mL
- 300mL
- 400mL
- 500mL
解 説
解法 1 「選択肢から答えを仮定して、代入して確かめる」
10 % アミノ酸輸液 といえば、500mL なので、選択肢 5 が正解と仮定します。(いきなり 5 ? と感じるかもしれませんが、病院実習の時に見た輸液パックを思い出すと選択肢の中で、一番見覚えのあるサイズは選択肢 5 ではないでしょうか。違和感を覚える場合は、選択肢 1 から代入してあたりをつけていってもよいと思います。)
10 % アミノ酸輸液が 500 mL だから、50mL がアミノ酸となります。50mL のアミノ酸は、50 × 4 = 200 kcal です。(1ml のアミノ酸が 4kcal というのは知っている前提で計算しています。)よって、NPC は、1400 – 200 = 1200 (kcal)です。
また、タンパク質には窒素が 16 % 含まれる という記述から、窒素量は 500×0.1×0.16=8 (g)です。
すると、非タンパクカロリー/窒素比(NPC/N)が 1200/8 = 150 となるので、選択肢 5 が正解です。
解法 2 「x と仮定して計算する」
10 % アミノ酸輸液が x mL とすると、0.1 x (mL) が、アミノ酸です。すると、0.4 x kcal となります。よって、NPC は 1400 - 0.4 x と表すことができます。また、N は、0.1 x ✕ 0.16 = 0.016 x です。
(1400 – 0.4x)/0.016x = 150 を解くと
1400 – 0.4x = 150 × 0.016x
1400 = 2.8x
x = 500 となります。
以上より、正解は 5 です。
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