問 題
32歳女性。皮膚科より尋常性乾癬と診断を受け、以下の薬剤を初めて服用することになった。なお、医師からは治療の説明を受けている。
問306
薬剤師は、処方せん受付時に、患者が医師から受けた説明内容を確認した。この薬剤を使用するにあたり、確認すべき項目のうち、優先度が高いものはどれか。2つ選べ。
- 日光浴
- 避妊
- 食事の回数
- 起床時間
- 献血
問307
この患者に関する情報の薬局における取扱いとして適切なのはどれか。2つ選べ。なお、必要な事項は薬歴に記載している。
- 患者から薬歴開示の求めがあったが、薬歴は薬局の情報であるという理由で開示を拒否した。
- 患者が不慮の事故で亡くなったので、薬歴の情報を家族の同意を得ずに第三者に提供した。
- 患者の勤務先から、健康診断の準備のためとして処方内容の問い合わせがあったが、患者の同意がないとの理由で回答を拒否した。
- 処方せんに疑義が生じたため、患者の同意を得ずに処方医に疑義照会した。
正解.
問306:2, 5
問307:3, 4
解 説
問306
エトレチナートは、ビタミン A 誘導体です。強い催奇性があるため、服用中及び服用後 女性は、最低 2 年間の避妊が必要です。また、体内に長期間蓄積されることから、献血を少なくとも 2 年間は行わないように指導しなければいけません。
以上より、正解は 2,5 です。
問307
選択肢 1 ですが
患者本人からの求めであれば、原則として開示が求められている事項に該当する部分を遅滞なく、コピーなどの書面などで交付する必要があります。だたし、本人や第三者の生命、身体、財産などの権利利益を害するおそれがある場合や、業務の適正な実施に著しい支障を及ぼすおそれがある場合や、他の法令に違反する場合などには、拒否できます。本選択肢のように、単に薬局の情報であるからという理由では、拒否できないと考えられます。
よって、選択肢 1 は誤りです。ちなみに、家族からの求めである場合は、明らかに本人の同意を得ていると確認できない限り、薬歴の開示はできません。
選択肢 2 ですが
故人の情報も、個人情報と同等の安全管理措置が必要となります。よって、第三者に勝手に提供することは許されないと考えられます。この選択肢については個人情報は、預金のような、財産として考えるとイメージしやすいのではないかと思います。すなわち、故人の預金口座を勝手に第三者が扱ってよいわけはなく、そして、そのような場合には、家族に対して連絡をするだろうと考えるとよいかと思います。
選択肢 3,4 は、正しい選択肢です。
以上より、正解は 3,4 です。
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