薬剤師国家試験 第100回 問153 過去問解説

 問 題     

交感神経系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. フェニレフリンは、アドレナリンα1受容体を選択的に刺激して、血管を収縮させる。
  2. フェントラミンは、非競合的にアドレナリンα1受容体を遮断して、血圧を下降させる。
  3. ラベタロールは、アドレナリンβ1受容体遮断作用があるため、反射性頻脈を引き起こす。
  4. ミドドリンは、アドレナリンβ2受容体を刺激することで、子宮平滑筋を弛緩させる。
  5. チラミンは、短時間内に反復的に静脈内投与されると、その昇圧作用が次第に弱くなる。

 

 

 

 

 

正解.1, 5

 解 説     

選択肢 1 は、正しい選択肢です。

選択肢 2 ですが
フェントラミンは、非選択的 α 遮断薬です。非競合的に、α1 受容体のみを遮断するわけではありません。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
ラベタロールは、α、β 遮断薬です。α 遮断で、血管拡張→血圧低下→反射的に脈が多くなるというのが、反射性頻脈です。ラベタロール使用時はβ遮断により、心機能も抑制されるため、この反射的に脈が多くなるということが起きにくいという特徴があります。従って、β1 受容体遮断作用があるため反射性頻脈を引き起こすわけでは、ありません。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
ミドドリンは、α1 受容体刺激薬です。β2 受容体刺激薬では、ありません。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 は、正しい選択肢です。
チラミンは、間接型アドレナリン作動薬です。薬剤の反復投与により、急速に効果を失います。この現象を、タキフィラキシーと呼びます。

以上より、正解は 1,5 です。

参考)薬理学まとめ 交感神経系に作用する薬

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