問 題
溶液導電率法を用いた大気中の硫黄酸化物の測定に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 二酸化硫黄SO2の「大気汚染に係る環境基準」項目としての測定法の1つとして定められている。
- 吸収液にはトリエタノールアミン溶液が用いられる。
- 試料大気中のSO2が吸収液に吸収されると、亜硫酸イオンSO3-が生成するため、吸収液の導電率は増加する。
- 大気中のSO2だけでなく三酸化硫黄SO3も測定される。
- アンモニアが共存すると干渉作用を起こすため、アンモニアの妨害除去の目的でアジ化ナトリウムを吸収液に添加する。
正解.1, 4
解 説
選択肢 1 は、正しい選択肢です。
選択肢 2 ですが
溶液導電率法では、吸収液に H2O2 を用います。これにより、空気中の SOx を、H2SO4 に酸化します。その結果、溶液中に SO42- が増加し導電率の変化として測定されます。トリエタノールアミンでは、ありません。よって、選択肢 2 は誤りです。ちなみに、やはり SOx の測定法として、トリエタノールアミン・パラロザリニン法という方法があります。
選択肢 3 ですが
吸収液の導電率が増加するのは、SO42- の増加によります。SO3– が生成するためでは、ありません。よって、選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 は、正しい選択肢です。
選択肢 5 ですが
アンモニアは負の干渉を示します。(実際の値より、低い値が出てしまいます。)シュウ酸トラップで除去します。アジ化ナトリウムでは、ありません。ちなみにアジ化ナトリウムは、ウィンクラー法と呼ばれる溶存酸素の測定法において、亜硝酸塩などによる妨害を除去するために用いられる試薬です。よって、選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 1,4 です。
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