問 題
液体クロマトグラフィーを用いた鏡像異性体の分離法には、キラル固定相法、キラル移動相法、ジアステレオマー誘導体化法がある。各法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- キラル移動相法では、分析対象物に対する対掌体を移動相溶液に添加してエナンチオマー分離を行う。
- ジアステレオマー誘導体化法は、誘導体化により通常の分配クロマトグラフィーで分離することを目的とする。
- あるラセミ混合物を分離したとき、異性体間のピークの分離度(RS)は1.2であった。このとき、2つのピークは完全分離しているといえる。
- キラルカラムに固定化される光学活性な高分子として、多糖類誘導体やタンパク質が広く用いられている。
正解.2, 4
解 説
選択肢 1 ですが
キラル移動相法とは、移動相中に光学活性な化合物(キラルセレクター)を添加し、固定相に吸着させ分析対象物との相互作用を介しエナンチオマーの分離を行う方法です。加えるのは、キラルセレクターです。(多糖誘導体など、様々なセレクターが開発されています。)分析対象物に対する対掌体を加えるわけではありません。よって、選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 は、正しい選択肢です。
選択肢 3 ですが
ピークが完全分離している とは、分離度が 1.5 以上を意味する と日本薬局方で定義されています。1.2 では、完全分離とはいえません。よって、選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 は、正しい選択肢です。
以上より、正解は 2,4 です。
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