問 題
タンパク質の構造に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 円二色性スペクトル法により、タンパク質の一次構造を決定することができる。
- αヘリックスやβシートは、タンパク質中に見られる二次構造である。
- 基質が酵素分子に結合する際に生じる誘導適合(induced fit)とは、酵素分子を堅固な剛体として仮定したときに生じる変化をいう。
- 酵素の等電点とは、その酵素の至適pHのことである。
- ヘモグロビンと酸素との結合は、協同性を示し、この協同現象は、ヘモグロビンの四次構造変化により説明される。
正解.2, 5
解 説
選択肢 1 ですが
円二色性スペクトル法でわかるのは、タンパク質の二次構造です。一次構造が決定できるわけでは、ありません。よって、選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 は、その通りの記述です。
選択肢 3 ですが
誘導適合とは、基質に合わせて酵素分子が形を変えることです。一方、堅固な剛体と仮定するとは形が変わらないと仮定する、ということです。よって、選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 ですが
等電点とは、正の荷電と負の荷電が等しくなる pH のことです。酵素の性質としては水などの溶媒に可溶化しにくくなる pH といえます。いいかえると、沈殿しやすくなります。沈殿しやすい pH かどうか、と 酵素の働きが至適となる pH であるかどうかは同一ではありません。従って等電点が 酵素の至適 pH であるということはできません。よって、選択肢 4 は誤りです。
選択肢 5 は、その通りの記述です。
以上より、正解は 2,5 です。
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