問 題
⑴ 次の記述の Ⓐ ~ Ⓔ に当てはまるものを語群から選び出し、それぞれの番号を記せ。
「溶媒抽出の最も一般的な方法は、水溶液から有機溶媒への抽出である。トルエン、 Ⓐ などは水と不混和である。
溶質 X はトルエンと水の間の分配係数が 3 であり、トルエン相に 3 倍溶けやすい。0.010 mol/L の X 水溶液 100 mL をトルエン 600 mL で 1 回抽出する場合に水相に残る X の割合は、約 Ⓑ % である。
また、0.010 mol/L の X 水溶液 100 mL をトルエン 200 mL で 3 回抽出する場合に水相に残る X の割合は、約 Ⓒ % である。このことから、 Ⓓ よりも、 Ⓔ ほうが抽出効率が良い。」
<語群>
① ヘキサン、② アセトニトリル、③ 0.3、④ 0.8、⑤ 5 、⑥ 11、⑦ 大量の溶媒で 1 回抽出する、⑧ 少量の溶媒で数回抽出する
解 説
溶液抽出とは、トルエンと水のように混ざり合わない液同士を接触させ、片方の液に溶けている物質を、もう一方の液に 液 – 液 平衡に基づき溶解させて抜き出すことです。以下のイメージのような「分液ろうとを用いた抽出」が具体例です。

Ⓐ ですが
文章の流れから、Ⓐ は「水と不混和」です。<語群>を見ると Ⓐ に入りそうな名詞は「ヘキサン」か「アセトニトリル」です。
アセトニトリルは、水に極めてよく溶け、任意の割合で混和します。これは基礎知識です。 Ⓐ はアセトニトリルではありません。従って、Ⓐ に当てはまるのは「ヘキサン」です。番号は ① です。
Ⓑ ですが
分配係数は「有機層 (油層) 中の濃度/水槽中の濃度」です。溶質 X はトルエンと水の間の分配係数が 3 なので、同じ量のトルエンと水が接していれば、溶質 X が 3:1に分配されます。
水溶液 100 mL をトルエン 600 mL で 1 回抽出するとということは、トルエンが 水の 6 倍の量です。従って、元の水溶液に溶けていた X は (3 × 6):1 = 18:1 の割合で分配されます。水層に残る割合は 1/(18 + 1) = 1/19 ≒ 0.05 なので、約 5% です。Ⓑ に当てはまるのは「5」です。番号は ⑤ です。
Ⓒ ですが
水溶液 100 mL をトルエン 200 mL で 1 回抽出すると、(3 × 2):1 = 6:1 の割合で分配されます。水層に残る割合は 1/(1+6) = 1/7 です。これを 3 回行えば (1/7)3 ≒ 0.003 なので、約 0.3% です。Ⓒ に当てはまるのは「0.3」です。番号は ③ です。
Ⓓ、Ⓔ ですが
Ⓑ、Ⓒ の解説より「大量の溶媒で 1 回抽出する」よりも「少量の溶媒で数回抽出する」方が、水層に 溶質 X が残っていないため 抽出効率は高い と考えられます。Ⓓ は ⑦、Ⓔ は ⑧ です。
以上より、正解は
Ⓐ:① ヘキサン
Ⓑ:⑤ 5
Ⓒ:③ 0.3
Ⓓ:⑦ 大量の溶媒で 1 回抽出する
Ⓔ:⑧ 少量の溶媒で数回抽出する です。

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