公務員試験 H30年 国家専門職(食品衛生監視員) No.6食品衛生学Ⅱ(2)解説

 問 題     

ヒスタミンによる食中毒に関する次の記述 Ⓐ~Ⓙ に当てはまるものを語群から選び出し,それぞれの番号を記せ。

「ヒスタミンはアミノ酸の一種である Ⓐ の誘導体である。Ⓑ 等には,Ⓐ が多く含まれており,これらの魚を常温に放置する等,不適切な管理が行われた結果, Ⓒ 等の細菌が持つ Ⓓ によってⒶ からヒスタミンが生成される。

ヒスタミンによる食中毒は,ヒスタミンを多く含む食品を摂取した場合に発症するⒺ 食中毒であり,通常,食後 Ⓕ 程度で顔面,特に口の周りや耳たぶが紅潮し,Ⓖ ,じんま疹などの症状を呈するが,おおよそ Ⓗ 以内で回復する。ヒスタミンによる食中毒を予防するためには,① 魚を保存する場合には,速やかに冷蔵・冷凍し,常温での放置時間を最小限とする衛生管理を徹底すること,② 蓄積されたヒスタミンはⒾ ため, Ⓙ こと等が重要である。」

<語群>
①マグロ,カツオ,サバ,②オニカマス,バラハタ,アカマダラハタ,③ヒスチジン,④リジン,⑤Morganella morganii,⑥Alexandrium catenella,⑦アミノ酸脱炭酸酵素,⑧アミノ酸脱水素酵素,⑨頭痛,⑩言語障害,⑪アレルギー様,⑫毒素型,⑬30~60 分,⑭ 2 ~ 4 時間,⑮ 4 時間,⑯12 時間,⑰加熱しても分解しない,⑱加熱すれば分解する,⑲鮮度が低下したおそれのある魚は食べない,⑳十分に加熱した上で食べる

 

 

 

 

 

 解 説     

ヒスタミンは、アミノ酸の一種である「ヒスチジン」誘導体です。赤身魚(「マグロ、カツオ、サバ」等)に多く含まれます。モルガネラ属、モルガン菌(「Morganella morganii」)等の細菌が持つ、「アミノ酸脱炭酸酵素」によって、ヒスタミンが生成されます。

ヒスタミンによる食中毒は「アレルギー様」食中毒です。通常食後「30~60分」程度で顔面、特に口の周りなどが紅潮し、「頭痛」、じんましん等の症状が現れます。おおよそ「12 時間」以内で回復します。

ヒスタミンによる食中毒予防において重要な点は、いったん蓄積されたヒスタミンは「加熱しても分解しない」ため、「鮮度が低下したおそれのある魚は食べない」よう気をつけることです。

以上より
A ヒスチジン ③
B マグロ、カツオ、サバ ①
C Morganella morganii ⑤
D アミノ酸脱炭酸酵素 ⑦
E アレルギー様 ⑪
F 30~60 分 ⑬
G 頭痛 ⑨
H 12時間 ⑯
I 加熱しても分解しない ⑰
J 鮮度が低下したおそれのある魚は食べない ⑲ です。

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