公務員試験 H30年 国家専門職(食品衛生監視員) No.5公衆衛生学Ⅰ(3)解説

 問 題     

精神保健に関する記述 ①~⑤ について,妥当なものには ○ を,妥当でないものには × をそれぞれ記せ。

① 我が国では,自殺者における女性の割合が高く,約7 割を占める。

② 認知症にはいくつかの種類があるが,加齢に伴って発症率が増加する認知症はアルツハイマー型認知症に限定される。

③ PTSD とは,災害や事故などにより,強い心的外傷を受けた直後に生じる急性反応のことをいう。

④ 都道府県知事は,特に緊急を要する場合,精神保健指定医の診察がなくても,精神障害者を72 時間に限り入院させることができる。

⑤ 労働安全衛生法により,従業員50 人以上の事業場の事業者は,従業員の心理的な負担の程度を把握するための検査(ストレスチェック)を実施するよう義務付けられている。

 

 

 

 

 

 解 説     

記述 ① ですが
自殺者は男性が多いです。試験時点で約 7 割が男性です。

記述 ② ですが
認知症には大きく大別して血管性と変性性があります。アルツハイマー型認知症は、変性性認知症の代表例です。認知症の最大のリスクファクターは加齢です。アルツハイマーに限定されるわけではありません。

記述 ③ ですが
急性反応は ASD(Acute Stress Disorder) です。PTSDは症状が1ヶ月以上継続し、それによる社会生活、日常生活への支障をきたす状況のことです。

記述 ④ ですが
「特に緊急」だからといって、県知事の判断「だけ」で、身体の自由を大きく損ねることになる入院という判断ができるのはおかしいと考えれば、妥当でないと判断できるのではないでしょうか。緊急措置入院についての記述と思われますが、精神保健指定医の診察が必要です。

記述 ⑤ は妥当な記述です。
試験時点において、 50 人未満の事業場については努力義務となっています。

以上より、①☓、②☓、③☓、④☓、⑤◯ です。

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