公務員試験 H30年 国家専門職(食品衛生監視員) No.1分析化学Ⅰ(1)解説

 問 題     

次の記述 ①~④ について,妥当なものには ○ を,妥当でないものには × をそれぞれ記せ。

① 濃度が既知の水酸化ナトリウム水溶液を用いて,濃度が未知の酢酸水溶液の濃度を測定するために適した指示薬はメチルオレンジである。

② 酸と塩基の中和滴定における当量点のpH は必ず7 となる。

③ 硫酸と水酸化ナトリウムがモル比(物質量比)1:2 で反応してできる塩は酸性塩である。

④ 銀イオンを含む溶液に塩化物イオンを加えると沈殿が生じる。

 

 

 

 

 

 解 説     

①ですが
弱酸と強塩基の中和なので、塩基側に変色域がある「フェノールフタレイン」等を用います。メチルオレンジは酸性側に変色域があり、妥当ではないと考えられます。

②ですが
例えば弱酸と強塩基の中和などでは、当量点の pH は 7 にはなりません。妥当ではありません。

③ですが
酸性塩とは「塩に、酸由来の H が残っている塩」です。注意すべき点としては、塩を水に溶かした時の液性とは関係ないという点です。記述において H2SO4 と NaOH のモル比 1:2 でできる塩とは Na2SO4 と考えられます。H は残っていないため、酸性塩ではありません。妥当ではありません。

④は妥当と考えられます。
AgCl の白色沈殿が生じます。

以上より、①☓、②☓、③☓、④◯です。

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