公務員試験 H30年 国家専門職(教養) No.25解説

 問 題     

図Ⅰ,Ⅱは,1986 年を1 とした場合の,A国における男性の家事及び育児に従事した者の割合の推移とA国における男性の家事及び育児の総平均従事時間( 1 日当たり)の推移を,図Ⅲは,A国の2011 年における男性1 人当たりの家事の行動の種類別総平均時間( 1 日当たり)を示したものである。

これらから確実にいえるのはどれか。

1.1986 年における男性の家事の総平均従事時間は,10 分以下である。
2.2006 年における男性の育児の総平均従事時間は,10 分以上である。
3.2011 年に男性が「食事の管理」に従事した総平均時間は,1986 年のそれの4 倍以上である。
4.2011 年に育児に従事した男性の割合は,1986 年に家事に従事した男性の割合よりも高い。
5.家事に従事した男性に限ると,2011 年の家事の平均従事時間は,1986 年のそれの4 倍以上である。

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

選択肢 1 は、確実にいえます。
図Ⅲより、2011 年の家事の総平均従事時間は 10+10+9+2+5 = 36 分と読み取れます。そして、図Ⅱより 2011 年の比率を 4.11 とした時、1986 年の比率が 1 です。 36 ÷ 4 = 9 だから、36 ÷ 4.11 は 9 よりも小さいです。つまり、10 分以下と確実にわかります。

選択肢 2 は読み取れません。
「育児」の「具体的従事時間」について、どの時点に関しても読み取れる資料がありません

選択肢 3 ですが、1986 年における家事の行動の種類別の割合がわかりません。
極端な例を考えるならば、1986 年は、男性の家事が全て「食事の管理」かもしれません。そのためこの資料からは読み取れません

選択肢 4 ですが、1986 年における家事従事男性の割合と、育児従事男性割合は読み取れません。
それぞれ 10%,5% というスタートかもしれないし、10%,20% というスタートかもしれません。それにより 2011 年の割合が多い少ないが変わるため、この資料からは読み取れません

選択肢 5 ですが、家事に従事した男性に限って注目すれば、平均従事時間の変化は読み取れません。
極端な例を考えると、彼らの平均従事時間が全く変わってない可能性もあります。

例えば、1986 年時点、男性が 10000 人いて、もともと家事従事者が 1000 人、平均360分だったとします。総平均は 36 分です。そして、2011 年度、男性 10000 人で、家事従事者が 4340 人で、家事従事者の平均従事時間は変わらず 360 分だったとします。すると 総平均は 約 156 分になります。

このように、総平均従事時間が上がっているからといって、 家事に従事した男性に限ってみた場合は、平均従事時間が上がったとはいえません。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 1 です。

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