公務員試験 H30年 国家一般職(農学) No.23 解説

 問 題     

次は、植物遺伝資源に関する記述であるが、A~D に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

植物遺伝資源は、作物育種との関連から、遺伝子プールの概念により、一次遺伝子プール、二次遺伝子プール、三次遺伝子プールに区分される。各作物について、一次遺伝子プールは、その作物の A を多く含む。

植物遺伝資源の保存方法は、保存場所や保存方法による違いから、生息域内保存と、生息域外保存とに分けられ、ジーンバンクは B に区分される。

ジーンバンクにおいて、属内や種内の遺伝的多様性を可能な限り保持し、最少数の種や品種・系統から成る植物遺伝資源のセットを C と称する。

トウモロコシやコムギなどについての遺伝資源の収集・管理を行う国際機関としては D がある。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

記述 A ですが
一次遺伝子プールは、生物学的な「種」の概念に相当する概念です。多くの「栽培種」を含みます。


記述 B ですが
ジーンバンクとは、多様な遺伝資源を収集・保存するシステムやそのための専門機関、その施設自体です。農業生物資源ジーンバンクなどが具体例です。ジーンバンクは自生地に拘らない保存であり「生息域外保存」に区分されます。


記述 C ですが
最少数の種や品種・系統から成る植物遺伝資源セットは「コアコレクション」です。ちなみに、アクティブコレクションは、配布可能な量となった、利用に積極的なコレクションのことです。


記述 D ですが
トウモロコシやコムギなどについての遺伝資源の収集・管理を行う国際機関は CIMMYT:Centro Internacional de Mejoramiento de Maizy Trigo です。本部はメキシコシティーにあります。IRRI:International Rice Research Institute は国際稲研究所です。こちらの本部はフィリピンのロスバニョスです。


以上より、正解は 3 です。

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