公務員試験 H30年 国家一般職(教養) No.35解説

 問 題     

20 世紀以降のアメリカ合衆国に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1.トルーマン大統領は,ソ連と対立していたイランに援助を与えるなど,ソ連の拡大を封じ込める政策(トルーマン=ドクトリン)を宣言した。また,マーシャル国務長官は,ヨーロッパ経済共同体(EEC)の設立を発表した。

2.ジョンソン大統領は,北ベトナムを支援するため,ソ連やインドが援助する南ベトナムへの爆撃を開始し,ベトナム戦争が起こった。その後,ニクソン大統領は,国内で反戦運動が高まったことから,インドを訪問して新しい外交を展開し,ベトナム(パリ)和平協定に調印してベトナムから軍隊を撤退させた。

3.アメリカ合衆国の財政は,ベトナム戦争の戦費や社会保障費の増大によって悪化し,ニクソン大統領は,金とドルとの交換停止を宣言して世界に衝撃を与えた。これにより,国際通貨制度はドルを基軸通貨とした変動相場制とするブレトン ・ウッズ体制に移行した。

4.レーガン大統領は,ソ連のゴルバチョフ書記長と米ソ首脳会談を行い,中距離核戦力(INF)の全廃などに合意し,米ソ間の緊張緩和を進めた。その後,ジョージ・H・W・ブッシュ大統領は,ゴルバチョフ書記長と地中海のマルタ島で首脳会談を行い,冷戦の終結を宣言した。

5.ニューヨークの世界貿易センタービルなどが,ハイジャックされた航空機に直撃される同時多発テロ事件が起きると,ジョージ・W・ブッシュ大統領は多国籍軍を組織し,アフガニスタンに侵攻していたイラクに報復し,イラク戦争が起こった。同戦争により,イラクのタリバーン政権は崩壊した。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

選択肢 1 ですが
トルーマン=ドクトリンは、共産主義化阻止のため、ギリシア・トルコを援助した、対ソ連封じ込め政策です。「イランに援助」ではありません。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
アメリカが支援したのは「南ベトナム」です。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
ブレトン・ウッズ体制により、各国通貨と米ドルの交換比率は「固定」されました。「変動相場制」ではありません。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 は、妥当な記述です。

選択肢 5 ですが
「テロとの戦い」を宣言したブッシュ大統領は「アフガニスタン」を攻撃しました。また、イラク戦争により崩壊したのは「フセイン」政権です。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 4 です。

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