公務員試験 H30年 法務省専門職員 No.38解説

 問 題     

教授方法や学習過程に関する記述A〜Dのうち,妥当なもののみを挙げているのはどれか。

A.適性処遇交互作用とは,教材の提示順序や提示法,教授法などの処遇と学習者の適性との間に交互作用が見られる現象のことをいう。すなわち,適性処遇交互作用における考え方は,一定の課題を学習させるときに,どの処遇が優れているかは学習者の適性によって異なるという現象を重視するものである。

B.プログラム学習とは,B.F.スキナーのオペラント条件付けを基本原理として,学習場面に応用された学習方法の形態をいう。彼のプログラム学習では,スモール・ステップの原理に従って,学習者ができるだけ誤った反応をしやすいようにプログラミングすることが前提となっている。誤った反応に対しては,軽微な痛みを伴う罰が用意されており,できる限り直ちに罰を与えることで効果が増すとされている。

C.チーム・ティーチングとは,生徒どうしが協力してチームを組み,生徒が他の生徒に教える形式で行う教育の方法をいう。チーム・ティーチングでは,グループ分け,学習の内容,時間割について教員の助言や指導を受けながら柔軟に行うが,環境の整備や教材などの準備にはかなりの労力と時間を要する。

D.アクティブ・ラーニングとは,学修者の能動的な学修への参加を取り入れた教授・学習法の総称とされている。学修者が能動的に学修することによって,認知的,倫理的,社会的能力,教養,知識,経験を含めた汎用的能力の育成を図るものである。発見学習,問題解決学習,体験学習,調査学習などが含まれるが,教室内でのグループ・ディスカッション,ディベート,グループ・ワークなども有効なアクティブ・ラーニングの方法である。

1.A,B
2.A,C
3.A,D
4.B,D
5.C,D

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

記述 A は妥当です。
クロンバックが提唱した適正処遇交互作用理論です。

記述 B ですが
スキナーのプログラム学習についての記述です。「学習者ができるだけ誤った反応をしやすいように」という部分で違和感を覚えるのではないでしょうか。スモールステップの原理とは、出題される課題の難易度がわずかずつ上がっていくという原理です。記述 B は誤りです。

記述 C ですが
チーム・ティーチングは、複数の「教員」が協力してチームを組み、教える方法です。「生徒どうし」ではありません。記述 C は誤りです。

記述 D は妥当です。
アクティブ・ラーニングについての記述です。

以上より、正解は 3 です。

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