公務員試験 H30年 法務省専門職員 No.14解説

 問 題     

次は,東大式エゴグラム(TEG)における様々なグラフで描かれたプロフィールの典型例であるが,プロフィールとそのプロフィールから読み取れるパーソナリティ特徴の説明の組合せとして最も妥当なのはどれか。

なお,グラフは,各自我状態ごとに相対累積度数からパーセンタイルを求めて作成された得点配置図に基づいており,グラフの横軸は自我状態,縦軸は各自我状態の得点に対応するパーセンタイルを示す。

このタイプは,理想を追求しない,先頭に立たない,責任感がない,自他共に甘いという人で,無責任であったり,ルーズであったりする反面,おおらかで細かいことはあまり気にしない面も備えている。

このタイプは,理想を掲げ,責任感が強い,自他共に厳しいという特徴と,論理的,知的で有能であるという特徴を併せ持つ。ただし,人への思いやりや気遣いが不足し,「毒舌家」になりやすい。

このタイプは,人に優しく世話焼きで,面倒見が良いと同時に,陽気にはしゃいで自分自身も楽しむ傾向があり,面白い人として好感を持たれることが多い。ただし,社会のルールや規則を無視して気分の向くままに行動することがある。

このタイプは,自他否定型のパターンの一つであり,義務感,責任感,批判的なものの見方が強い一方で,周囲への気遣いも強く,十分に自己主張できずに葛藤をため込む傾向がある。

このタイプは,人の気持ちを十分に理解する,人に優しく温かく接する,世話を焼きやすいといった特徴を示し,面倒見の良い人に多く見られる。一方で,過保護,過干渉,おせっかいになるおそれがある。

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

東大式エゴグラムは、交流分析を基にし、人の行動を5つの自我状態に分類して考えます。すなわち、厳しい親のような支配性(CP:Clitical Parents)、優しい親のような寛容性(NP:Nurturing Parent)、落ち着いた大人な理論性(A:Adult)、やんちゃな子供のような奔放性(FC:Free Child)、従順な子供のような順応性(AC:Adapted Child)です。

選択肢 1 ですが
CP、AC が相対的に高く、責任感、周囲への気遣いが高いが、自己主張できず葛藤を溜め込む傾向があると考えられます。「責任感がない」といった説明は妥当ではありません。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 は妥当です。
CP,A が高く、相対的に NP、AC が低いというプロフィールを説明しています。

選択肢 3 ですが
NP,A,FC が高く、CP,AC が相対的に低い形です。A が高いため「社会のルールや規則を無視し、気分の向くままに行動することがある」というのは少し当てはまりづらい説明となっています。選択肢 3 は誤りと考えられます。

選択肢 4 ですが
NP,AC が特に高いパターンです。やさしく、NO と言えないといった説明が妥当です。CP や A が相対的に低いため「責任感、批判的なものの見方が強い」という記述が妥当ではありません。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
FC,AC が相対的に高い、特に AC が高いため「依存的」といった表現が妥当です。説明は NP が高い、AC も高いパターンに関する記述と考えられます。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 2 です。

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