問 題
DSMー5(精神疾患の診断・統計マニュアル)における統合失調症(Schizophrenia)に関する記述として妥当なのはどれか。
1.自己の重要性を過度に大きく捉え,成功,才気,美しさに捕らわれており,過剰な賞賛を求めたり,他者に嫉妬したりするといった特徴を有する。共感性に乏しく,時に他者を不当に利用することもあるとされている。
2.自己像が不安定で,慢性的な虚無感があり,見捨てられることを避けようとしてなりふりかまわぬ努力をするなど,不安定で激しい対人関係様式を示すといった特徴を有する。浪費や性行為を含む衝動的な行動を示したり,自傷行為を繰り返したりすることもあるとされている。
3.一人の人間の中に複数の分離した人格が存在する状態であり,それらの人格は,環境や自己について独自の感じ方や考え方を持ち,明確に分離することができる。小児期早期の被虐待体験等と強く結び付いているとされている。
4.妄想,幻覚,奇妙な行動といった陽性症状,感情の平板化,思考の貧困,意欲の欠如といった陰性症状,職業的な役割や自己管理能力等の機能面の障害を主症状とする。思春期から 30 歳頃までの間に発症することが多いとされている。
5.暴力的な事故や犯罪,戦争,性的暴力,誘拐,自然災害等を体験したり目撃したりした後に,侵入症状,回避,過覚醒症状等が1 か月以上持続するものである。この疾患の生涯有病率は,女性の方が男性よりも高いとされている。
解 説
選択肢 1 ですが
自己愛性パーソナリティ障害についての記述です。統合失調症に関する記述ではありません。選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 ですが
境界性パーソナリティ障害についての記述です。統合失調症に関する記述ではありません。選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 ですが
解離性同一性障害についての記述です。統合失調症に関する記述ではありません。選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 は妥当です。
統合失調症についての記述です。
選択肢 5 ですが
心的外傷後ストレス障害についての記述です。選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 4 です。
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