公務員試験 H30年 国家一般職(行政) No.43解説

 問 題     

最近の我が国の経済状況に関する次の記述のうち,妥当なのはどれか。

1.2016 年平均の完全失業率は 2 % を下回っている。全国の有効求人倍率(年平均,パート含む)は,2012 年から 2016 年までの間,改善しているが,地域別有効求人倍率(年平均,パート含む)をみると,北海道や九州では,2016 年平均で 1 を超える状況には至っておらず,地域によって改善状況にばらつきがみられる。

2.訪日外国人旅行者数は,2012 年から 2016 年までの間,前年比で増加している。2016 年についてみると,台風の影響により各地で大きな被害が出るなど,自然災害が多い年であったものの,訪日外国人旅行者数は 2,000 万人を超え,過去最高を更新した。

3.2016 年秋以降,海外経済の持ち直しから輸出や生産が持ち直すとともに,為替レートがドル安円高方向に動き,2017 年 1-3 月期の円相場(対米ドル)は,90 円台となった。一方,内閣府「国民経済計算」の民間企業設備投資(実質季節調整ベース)は,2016 年 1-3 月期以降,2017 年 7-9 月期現在まで,前期比で減少傾向で推移している。

4.我が国経済は,2017 年12 月現在まで,2012 年1 月を景気の谷とする緩やかな景気回復基調が続いている。当該景気回復は,1950 年代半ばから後半にかけてのオリンピック景気,1960 年代後半の岩戸景気,1980 年代後半のバブル景気と同様の長期にわたるものとなってい
る。

5.財務省・日本銀行「国際収支統計」により,2016 年度の経常収支についてみると,サービス収支や第一次所得収支は黒字であったものの,原油など資源価格の上昇により貿易収支が赤字となったことにより,2015 年度と比較して黒字幅が大幅に縮小した。

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

選択肢 1 ですが
2016 年平均完全失業率は、1994 年以来 22 年ぶりの低い水準である 3.0% です。「2% を下回っている」わけではありません。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 は妥当です。
訪日外国人旅行者数に関する記述です。

選択肢 3 ですが
1ドル 90 円代は高すぎると判断できるのではないでしょうか。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
景気の谷は 2012 年 11 月とされています。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
2016 年度の経常収支は、貿易収支の大幅な上昇などもあり、黒字幅が大きく増加しました。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 2 です。

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