問 題
行政事件訴訟法第37 条の2 に規定する義務付けの訴え(非申請型の義務付けの訴え)の要件等に関する ア〜オ の記述のうち,妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。
ア.非申請型の義務付けの訴えを提起することができるのは,一定の処分がされないことにより重大な損害を生ずるおそれがあり,かつ,その損害を避けるため他に適当な方法がないときに限られる。
イ.裁判所は,行政事件訴訟法第37 条の2 第1 項に規定する「重大な損害」を生ずるか否かを判断するに当たっては,損害の回復の困難の程度に加えて損害の性質及び程度を考慮するものとされ,処分の内容及び性質について勘案する必要はないとされている。
ウ.非申請型の義務付けの訴えは,行政庁が一定の処分をすべき旨を命ずることを求めるにつき法律上の利益を有する者に限り,提起することができる。
エ.行政事件訴訟法第37 条の2 第3 項に規定する「法律上の利益」の有無の判断については,取消訴訟の原告適格に関する同法第9 条第2 項の規定を準用することとされている。
オ.非申請型の義務付けの訴えが行政事件訴訟法第37 条の2 第1 項及び第3 項に規定する要件に該当する場合において,その義務付けの訴えに係る処分につき,行政庁がその処分をすべきであることがその処分の根拠となる法令の規定から明らかであると認められるときに限り,裁判所は,行政庁がその処分をすべき旨を命ずる判決をすることができる。
1.ア,イ,ウ
2.ア,イ,オ
3.ア,ウ,エ
4.イ,エ,オ
5.ウ,エ,オ
解 説
記述 ア は妥当です。
第 37 条の 2 第 1 項の通りです。
記述 イ ですが
第 37 条の 2 第 2 項によれば、裁判所は、重大な損害の判断にあたり、損害の回復の困難の程度を考慮し、さらに損害の性質及び程度 並びに 処分の内容及び性質をも勘案するものとする、とあります。処分の内容及び性質について勘案する必要がないわけではありません。記述 イ は誤りです。
記述 ウ、エ は妥当です。
第 37 条の 2 第 3,4 項の通りです。
記述 オ ですが
第 37 条の 2 第 5 項によれば、処分すべきことが明らか or 処分しないことが裁量権の範囲を超え 若しくは 濫用となると認められる時に、処分すべき旨を命じる判決ができるとされています。記述 オ は誤りです。
以上より、正解は 3 です。
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