公務員試験 H29年 国家専門職(食品衛生監視員) No.6食品衛生学Ⅲ解説

 問 題     

⑴ ⒜~⒠を原因食品とする食中毒の病原微生物として最も妥当なものを微生物群から選び出し、それぞれの番号を記せ。⒜鶏肉、⒝二枚貝、⒞真空包装食品、⒟穀類、⒠乳・乳製品

<微生物群>①ノロウイルス、②リステリア・モノサイトゲネス、③セレウス菌、④カンピロバクター、⑤ボツリヌス菌

⑵ ⑴の病原微生物のうちから二つを選び、これを原因とする食中毒の症状と予防対策についてそれぞれ3 行程度で説明せよ。

 

 

 

 

 

 解 説     

解答例)
⒜鶏肉→カンピロバクター ④
⒝二枚貝→ノロウイルス ①
⒞真空包装食品→ボツリヌス菌 ⑤
⒟穀類→セレウス菌 ③
⒠乳・乳製品→リステリア・モノサイトゲネス ② です。

カンピロバクター・・・腹痛、下痢、発熱が主症状です。調理器後の熱湯消毒・乾燥の徹底、加熱不十分な肉や臓器の生食を避けること、塩素消毒や煮沸消毒済みの水を飲むことなどが予防対策となります。

ノロウイルス・・・嘔吐、下痢が主な症状です。ワクチンは現在の所なく、日々の流水・石けんによる手洗いの徹底等が予防対策となります。

ボツリヌス菌・・・まぶたが垂れ下がる、物が二重や、かすんで見れる、物が飲み込みにくくなり、ろれつが回らなくなるといった神経症状がおきます。膨張が見られる真空パック食品を食べない、食べる前の十分な加熱等が具体的予防対策です。

セレウス菌・・・腹痛・下痢が見られる下痢型と、吐き気・おう吐が見られるおう吐型の 2 タイプに症状は大別されます。予防方法としては、菌の増殖をさけるため、一度に大量の米飯や麺類調理後に作り置きをしないこと等があげられます。

リステリア・モノサイトゲネス・・・健康な成人は無症状が多いのですが、易感染、弱抵抗力の人や、基礎疾患を有する場合に髄膜炎等の中枢神経系感染や、菌血症を起こす場合があります。低温長期保存を過信せず、特に乳、肉等の汚染に注意することが予防対策となります。

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