問 題
毒性の評価に関する記述 ①~⑤ について、妥当なものには ○ を、妥当でないものには × をそれぞれ記せ。
① ダイオキシン類全体としての毒性を評価する際には毒性等価係数(TEF)が用いられる。ダイオキシン類の中で最も毒性が強い 2、3、7、8ーテトラクロロジベンゾーpージオキシンの TEF は1 である。
② 意図的に使用されていないにもかかわらず食品中に存在する物質について、ヒトが一生涯にわたって毎日摂取し続けても、健康への悪影響がないと推定される一日当たりの摂取量を一日摂取許容量(ADI)という。
③ 既に病気になったヒトを対象に、その人たちと性別や年齢の揃った健康人と両者の生活習慣の違い等を調査して、何がその病気の誘因になったかを調査する方法を前向きコホート調査という。
④ Ames 試験は、被験物質の変異原性を調べるための試験法であり、特定の性質を持ったほ乳類培養細胞を用いて行われる。
⑤ ばく露マージン(MOE)は無毒性量(NOAEL)等の毒性に関する評価値を、実際のヒトの摂取量又は推定摂取量で除して算出する。リスク管理の優先付けを行う手段として用いられることがある。
解 説
① は、妥当な記述です。
② ですが
これはTDI(Tolerable Daily Intake)についての記述です。ADIではありません。「意図的に使用されていないが、食品中に存在する重金属やカビ毒」といったものに対して設定されるのが TDI です。
③ ですが
記述は後ろ向き調査についての説明です。
④ ですが
Ames 試験で用いられるのは、サルモネラ属の一種であるネズミチフス菌を用います。「細胞」ではありません。
⑤ は、妥当な記述です。
MOEが低いものほど、マージン、すなわち余裕が小さいということです。従って、リスク管理において優先付けをする、といった解釈をするために算定します。
以上より、①◯、②☓、③☓、④☓、⑤◯ です。
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