問 題
錯体の幾何異性体に関する次の記述の ㋐,㋑ に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。
「図のように,金属 M に単座配位子 L が 6 個結合した錯体[ML6]を考える。[ML6]の構造は正八面体構造である。
[ML6]の二つの L が別の単座配位子 L’ で置換された錯体[ML4L’2]の幾何異性体は2 種類存在する。[ML6]の三つの L が L’ で置換された錯体[ML3L’3]の幾何異性体は㋐種類存在する。[ML6]の三つの L が L’ 1 個と別の単座配位子 L” 2 個で置換された錯体[ML3L’ L”2]の幾何異性体は ㋑ 種類存在する。」
㋐ ㋑
1. 2 2
2. 2 3
3. 3 3
4. 3 4
5. 4 2
正解 (2)
解 説
ML3L’3 型には、同一配位子が同一平面内にある meridional 形 と、同一平面にない facial 形 の 2種類の異性体があることが知られています。正解は 1 or 2 です。
ML3L’ L”2 についてですが、まず 1個しかない配位子である L’ を固定します。すると、「同一平面にあと3つ配位子が入る場所があり垂直の軸に2つ配位子が入る場所がある」 という状態になります。
そこで
1:L” が両方とも L’ と同じ平面
2:L” が両方とも垂直の軸
3:L” が 同じ平面に 1つ、垂直の軸に1つ入る という3パターンが考えられます。従って、㋑は 3 です。
以上より、正解は 2 です。
コメント