公務員試験 H29年 国家一般職(化学) No.20解説

 問 題     

黒鉛電極を用いて硫酸ナトリウム水溶液に 0.500A の電流を 400分間 流した。このとき、陰極で発生する気体とその体積 (300K、1気圧) の記述として最も妥当なのはどれか。ただし、発生した気体は理想気体として振る舞うものとしファラデー定数を 9.65 × 104 C・mol-1とする。なお、273K、1 気圧における 1mol の理想気体の体積は 22.4 Lである。

1.水素が約 1.5 L 発生した。
2.水素が約 3.1 L 発生した。
3.酸素が約 3.1 L 発生した。
4.酸素が約 6.1 L 発生した。
5.二酸化硫黄が約 3.1 L 発生した。

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

電極が黒鉛(C)なので、電極は溶けません選択肢もふまえて考えれば、陰極、すなわち電子を受け取る反応がおきる極で進行する反応は、水溶液中の H+ が 電子を受け取り「2H+ + 2e → H2」 となり、水素が発生すると考えられます。

電子が何 mol 流れたかがわかれば、その半分の mol が 水素の物質量です。400分 = 24000秒です。従って、流れた電気量は、0.5A ×24000 (C) ≒ 1/8 mol です。よって、水素は 1/16 mol 発生します。1/16 × 22.4 = 1.4 L です。

後は、理想気体なら、PV = nRT が成り立つので、273K → 300K で 体積が 大体 10/9 倍になることもふまえれば、大体 1.5 L です。

以上より、正解は 1 です。

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