公務員試験 H29年 国家一般職(教養) No.33解説

 問 題     

バイオテクノロジーに関する記述として最も妥当なのはどれか。

1.ある生物の特定の遺伝子を人工的に別のDNA に組み込む操作を遺伝子組換えという。遺伝子組換えでは,DNA の特定の塩基配列を認識して切断する制限酵素などが用いられる。

2.大腸菌は,プラスミドと呼ばれる一本鎖のDNA を有する。大腸菌から取り出し,目的の遺伝子を組み込んだプラスミドは,試験管内で効率よく増やすことができる。

3.特定のDNA 領域を多量に増幅する方法としてPCR 法がある。初期工程では,DNA を一本鎖にするため,-200 ℃ 程度の超低温下で反応を行う必要がある。

4.長さが異なるDNA 断片を分離する方法として,寒天ゲルを用いた電気泳動が利用される。長いDNA 断片ほど強い電荷を持ち速く移動する性質を利用し,移動距離からその長さが推定できる。

5.植物の遺伝子組換えには,バクテリオファージというウイルスが利用される。バクテリオファージはヒトへの感染に注意する必要があるため,安全性確保に対する取組が課題である。

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

選択肢 1 は、妥当な記述です。Cryspr に関する記述ももうすぐ出てくるんですかね。。

選択肢 2 ですが、「プラスミド」を試験官内で効率よく増やすわけではありません。大腸菌に入れて、目的の遺伝子を組み込んだプラスミドを有する大腸菌を増殖させます。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが、PCR の初期工程は 95℃で一本鎖に変性させます。超低温下ではありません。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが、長いほどゆっくりです。よって選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが、バクテリオファージは、細菌に感染するファージです。比較的安全に用いることができるウイルスです。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 1 です。

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