公務員試験 H29年 法務省専門職員 No.43解説

 問 題     

社会福祉援助の方法に関する記述 A~D のうち,妥当なもののみを挙げているのはどれか。

A.ソーシャル・ケースワークは,M.リッチモンドによれば,「人間と社会環境との間を個別に,意識的に調整することを通してパーソナリティを発達させる諸過程から成り立っている。」と定義されている。

B.ソーシャル・グループワークは,G.コノプカによれば,「意図的なグループ経験を通じて,個人の社会的に機能する力を高め,個人,集団,地域社会の諸問題に,より効果的に対処し得るよう,人々を援助するものである。」と定義されている。

C.ソーシャル・アドミニストレーションは,ケースワーク,グループワークと並ぶ直接援助方法の一つで,米国の「レイン報告」によって理論的に体系化された。地域社会の持つ諸課題に着目し,地域住民が組織的に課題解決を図れるよう側面的に援助する方法である。

D.ソーシャル・プランニングとは,援助者が,社会生活上の困難を抱える個人又は家族に対して,インテーク(受理)面接を行った上でニーズのアセスメント(事前評価)を実施し,必要な援助を行うための個別の援助計画を立てる方法のことである。

1.A,B
2.A,C
3.A,D
4.B,C
5.C,D

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

記述 A は妥当です。
M.リッチモンド「ケースワークの母」と呼ばれます。

記述 B は妥当です。
ソーシャル・グループワークについて、コノプカによる 14 原則が知られています。

記述 C ですが
ソーシャル・アドミニストレーションは社会福祉を合理的かつ効率的に運営・管理するために取られる方法のことです。「間接援助方法」の一つです。直接援助方法ではありません。ちなみに、記述は「コミュニティオーガニゼーション」についてであると考えられます。やはり「間接援助方法」の一つです。記述 C は誤りです。

記述 D ですが
ソーシャル・プランニングは「問接援助方法」の1つです。社会変動に伴い多様化する社会福祉ニーズに対し、社会資源の確保などの課題を明確にし、社会計画をあらかじめ立て、変動に対応しようとする一連の理論と技法のことです。記述はソーシャル・ケースワークのプロセスにおけるプランニングについてです。記述 D は誤りです。

以上より、正解は 1 です。

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