公務員試験 H29年 法務省専門職員 No.33解説

 問 題     

次は,脱学校社会に関する記述であるが,A,B,Cに当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

脱学校社会とは, A が1970 年代に発表した『脱学校の社会』と題した著書において提唱したものである。彼は,現代の学校が特定の年齢層の生徒を一日中,学校に拘束して,一方的に教育内容を押し付けており,そこでは専門職としての教師しか教壇に立てない点を批判し,「人と人との間,人と環境との間での自律的・創造的な交流」の中から自然発生的な学習が成立する制度が望ましいと主張した。彼の理想は,「B 的」な制度を,「C 的」な制度に転換することである。

  A B C
1.E.クリーク 共生 操作
2.E.クリーク 操作 共生
3. I .イリイチ 共生 操作
4. I .イリイチ 操作 共生
5.R.リントン 共生 操作

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

A ですが
「脱学校論」は、イヴァン・イリイチの造語です。「脱学校」というキーワードと「イヴァン・イリイチ」という人名が対応できるとよいです。ちなみに E.クリークは、ドイツの教育学者で、ヘルバルト以降の伝統的教育観を批判し「純粋教育科学」を提唱した人物です。R.リントンは、人類学者で「文化とパーソナリティ」理論形成に貢献しました。

B,C ですが
記述中における「・・・押し付けており・・・交流の中から・・・望ましい」といった記述をふまえると「操作→共生」という並びが妥当と判断できるのではないでしょうか。B が「操作」、C が「共生」です。

以上より、正解は 4 です。

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