公務員試験 H29年 法務省専門職員 No.23解説

 問 題     

次は,系列位置効果に関する記述であるが,A,B,Cに当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

ライトら(Wright, A. A. et al., 1985)は,複数の図を順次呈示し,一定の遅延時間の後に一つの図を呈示して,その図が先に順次呈示した図の中に含まれていたか否かを問う系列項目再認課題をヒト,サル,ハトを対象に与えた。

ヒトにおいては,言語化が困難な万華鏡パターンを呈示したところ,遅延時間が 0 秒の時は下記のA ,10 秒の時は B ,100 秒の時は C のような系列位置曲線で表される結果が得られた。呈示した図も遅延時間もヒトとは異なるが,サルやハトにおいてもヒトと同様の系列位置曲線で表される結果が得られ,ヒトも動物も同じような記憶構造を持つ可能性が示唆された。

  A B C
1.図1 図2 図3
2.図1 図3 図2
3.図2 図3 図1
4.図2 図1 図3
5.図3 図2 図1

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

系列位置効果とは、記憶の際、順番により記憶の度合いが違う効果のことです。具体的には、真ん中が低くなります。最初の方は初頭効果、最後の方は新近性効果といいます。図1は、初頭効果、新近性効果が共に見られています。図2は新近性効果のみ、図3は初頭効果のみが見られています。

A ですが、遅延時間が 0 秒でれば、近性効果が特に目立って見られると考えられます。従って、図 2 と考えられます。そして、遅延時間がある程度長いと、新近性効果が見られなくなると考えられるため、図3に対応するのが、最も遅延時間が長い C です。これにより、B に入るのは図1です。

以上より、正解は 4 です。

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