公務員試験 H29年 国家一般職(行政) No.42解説

 問 題     

我が国の国債に関する次の記述のうち,妥当なのはどれか。

1.平成 28 年度の一般会計当初予算における新規国債発行額は,建設国債と特例国債の合計で約 34 兆円となり前年度当初予算から若干の増加となった。また,一般会計の当初予算ベースでみると,公債依存度は,平成 27,28 年度と2 年連続で 40 % を超えた。

2.国債の元本償還及び利子支払に充てられる費用である国債費は,平成 28 年度の一般会計当初予算においては歳出総額の 4 分の 1 程度を占める約 23.6 兆円となっており,前年度当初予算のそれよりも若干増加している。

3.国債を償還期限別にみると,平成 28 年度に発行されているのは 30 年,20 年,10 年, 5 年,1 年の 5 種類の期限のものであり,10 年以上は超長期国債, 5 年が長期国債, 1 年が短期国債と呼ばれている。カレンダーベース市中発行額をみると,平成 28 年度(当初)では,短期国債の割合が 6 割を超えている。

4.国債及び国庫短期証券の保有者別内訳をみると,平成 28 年3 月末では,「銀行等」が 40 % 程度と最も多くを占めており,次いで「生損保等」が 25 % 程度を占めているが,近年,国債を大量に購入している「日本銀行」が第 3 位であり,15 % 弱を占めるに至っている。

5.平成 28 年度(当初)の国債発行についてみると,新規発行の国債のほか,250 兆円程度の借換債, 2 兆円程度の復興債, 5 兆円程度の財投債を発行しており,平成28 年度の国債発行総額はこれらを合計すると,300 兆円を超えている。

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

選択肢 1 ですが
H28 年度の新規国債発行額は、前年度 約 34 兆円から、約 38 兆円と、若干の増加を示しました。また、公債依存度は H27 年に 40% 弱、H28 年は 35% 弱です。「2年連続で 40% 超え」ではありません。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 は妥当です。
国債費は若干増加しています。

選択肢 3 ですが
一般的に、10 年以上が「超長期国債」、5~10 年ものが「長期国債」、1~5 年が「中期国債」、1年未満を「短期国債」と呼びます。ちなみに「カレンダーベース市中発行額」とは、「あらかじめ金額を定めた入札により発行する、国債の4月から翌年3月までの発行予定額の総額のこと」です。短期国債の割合は 大体毎年 2 割付近です。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
国債保有者の一位は日本銀行です。「銀行等」が最も多くを占めているわけではありません。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
H28 年度借換債発行額は約 100 兆円、国債発行総額は約 160 兆円です。少し多すぎる記述となっており、妥当ではありません。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 2 です。

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