公務員試験 H29年 国家一般職(行政) No.38解説

 問 題     

ある国のマクロ経済が,以下の式で示されているとする。

このとき,⑴ 税収が所得に依存し,t = 0.25 である場合,及び ⑵ 税収が所得に依存しない場合(t= 0)のそれぞれの場合における政府支出乗数の組合せとして妥当なのはどれか。

⑴ ⑵
1. 0.8 1.25
2. 0.8 2.5
3. 1.25 5
4. 2.5 2.5
5. 2.5 5

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

乗数効果とは、例えば Y = C + I + G という関係において、I や G といった「ある経済量の変化」の結果、他の経済量の変化も誘発し、「結果として変化量の何倍も Y が増加する」といった効果のことです。(参考 H26no36)。

一番上の式に、2番目、3番目、4番目の式を代入し、Y = … の式にします。さらに t = 0.25 を代入して整理すると、以下のようになります。

0.4Y = G + const の左辺を Y = ・・・の形にします。両辺を 2.5 倍すると、Y = 2.5G + … です。この式は、G が1増えると Y が 2.5 増えるという意味になります。従って、政府支出乗数は 2.5 と読み取れます。正解は 4 or 5 です。

同様に、t = 0 として同様の式変形を行えば、0.2Y = G + const です。両辺 5 倍すると、Y = 5G + … となるため、t = 0 の時の政府支出乗数は 5 です。

以上より、正解は 5 です。

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